甲子園のスタンドに身を置き、阪神タイガースの応援に胸を熱くした私。しかし今季は、会場全体が「また中日か、、」とため息をつく展開の連続。ヤクルトとの一戦も、例年とは違う緊張感を肌で感じています。
この記事では、現地で味わった「勝ちきれない阪神」を徹底的に振り返り、ファン目線ならではの発見や課題を深堀します。
なぜ今季は中日と相性が悪いのか
遅ればせながら、先日は阪神対中日戦お疲れ様でした🐯🐲
次はオールスターで会いましょう🔥 pic.twitter.com/JD2EpFJCqw— ミヤタ⚾️ (@miyata_base) July 18, 2025
現地観戦した7月15日、期待を込めて入った甲子園の空気はどこか重たく、「今日もまた中日投手陣を打ち崩せるのか?」とファン同士静かな会話が広がっていました。今シーズン阪神は、中日戦で5勝7敗と厳しい状況。
隣に座っていた甲子園の常連さんも、「去年とはまるで違うな、、」と声を漏らすほどです。その要因には複合的な理由が絡み合っており、これまで順調にいっていたクリーンナップの打撃不振や得点力不足、そして中日の投手陣の台頭などが挙げられます。以下で、それぞれの原因を詳しく解説していきます。
クリーンナップの打撃不振と続かない打線
今季の阪神は中日戦でクリーンナップが思うように機能していません。私が現地観戦した7月15日の試合でも打線が振るわず、7回裏で放った森下翔太選手のホームランで追いついた際にはここぞとばかりの大歓声が響きました。
この流れであと1本が出れば勝てるぞ!という雰囲気になりましたが、続く一打がなく勝機を逃してしまいました。このように、打線がつながらず、流れを一気に引き寄せることができない点が今季の悩みとなっています。
「大山頼むぞ!」の声援むなしく、クリーンナップが打席で三振を喫した瞬間、目の前に座っていた親子が顔を歪めていました。今季は特に、勝負どころで主力打者が静かにベンチに戻る場面が目につきます。
中日先発陣の好調
【プロ野球】2025年7月16日
阪神X中日今日のヒーロー#高橋宏斗 #dragons #中日ドラゴンズ #東スポ pic.twitter.com/tTxsOLbF2L
— 東スポ 写真映像部 (@tospophoto) July 16, 2025
阪神も投手大国として知られているほど、エース級のピッチャーが多いチームですが、今季の中日は先発投手陣が非常に安定しており、コントロールに定評のある投手が多いことで知られています。特に高橋宏斗選手とルーキーの金丸夢斗選手が素晴らしい成績をあげています。
金丸選手は驚異的な奪三振率と150キロ超の速球、さらにチェンジアップやスライダーを織り交ぜた高い制球力を武器に、ピンチの場面でも冷静に攻めの投球を続けています。7月の甲子園、金丸選手が投げる度に客席からはため息が聞こえます。
彼のストレートがミットに吸い込まれるたび、阪神ファンの応援が一瞬止まるのを確かに体感しました。「えげつないボールや」と隣の年配ファン。制球力も高く、阪神の打者陣も攻めきれずにいる様子が伝わってきます。「これで突破できるのは誰や、、」と観客のつぶやきにも焦りが滲みます。
阪神野手陣の得点力不足
阪神の得点力不足も、中日戦における苦戦の大きな理由です。とくに得点圏での打撃結果が芳しくなく、上位打線の近本、中野、森下の3選手は得点圏打率が低調です。また、決定的なチャンスで三振や凡退が目立ちます。
現地観戦した5月1日、満塁の場面で森下選手が三振し、周囲から悲鳴が聞こえてきました。得点圏での凡退が続き、観る側も次第に打席への期待よりも不安が勝るように。データー以上に肌で感じたのは、「ここしかない!」のタイミングでランナーが還せないことのストレスと、ファン同士の一体感が逆に重苦しいため息に変わる瞬間でした。
こうした得点力不足による接戦での敗戦が、苦手意識を生み出していると言えます。
中日に勝ち越すための改善策
今季の中日戦で劣勢をはね返すためには、阪神としても多方面からの改革が必要になります。接戦での継投策の再検討や、相手投手へのアプローチの見直しによって、流れを引き寄せる仕掛けが鍵となってきます。ここからは、阪神が中日に勝ち越すための具体的な方策についてまとめていきます。
打順の入れ替え
現状のような打順の固定にこだわらず、状況に応じて大胆に入れ替えを行い、流れの良い打線でチャンスをものにする戦略も必要不可欠です。試合を観ていて思うのは、クリーンナップの再生だけが答えではないということです。現地で聞こえてくる「打順変えてもええんちゃう?」の声。新しい打線でかけてでもチャンスを作る試みが必要です。
個人的には、今季から打撃コーチに就任した小谷野コーチの指導によって蘇った選手もいる中で、小谷野コーチと主力の対話シーンを近くで目撃し、「ここから何か変わるかも」と感じた瞬間もありました。
バント・走塁の精度向上
試合序盤、送りバント失敗後の観客席はざわつき、「なぜこんな大事な場面で、、」とファンが悔しがる様子が印象的でした。現地にいると、送りバントが決まった時の歓声と失敗時の落胆の差がとても大きいと感じます。
「走塁・小技で流れを変えろ!」というベテランファンの掛け声も響く一方、「走塁でもう一歩攻めてほしい」との期待も数多く耳にしました。特に下位打線や投手のバント失敗は、チャンスを潰し流れを失わせる大きな要因になります。
現地で観戦していて特に印象的だったのは、16日に甲子園で行われた中日戦の3回裏。先頭打者の梅野隆太郎選手がヒットで出塁し、才木浩人選手が送りバントを試みようとした場面で惜しくもバント失敗に終わってしまいました。現地で観戦していた私の耳には、「ピッチャーだからってバント失敗するのはダメ」という厳しい声でした。
日々の練習からバントの技術を徹底し、送りバントの成功率を上げることが重要です。同様に走塁面でも的確な判断とスピードを意識し、積極的な次の塁を狙う姿勢が試合の大きな分かれ目となります。こうした細かな部分の精度が、一点を争う接戦での勝敗を左右します。
継投策の見直し
中日戦では、接戦の試合が多く、1点差で負けた試合も多いです。その中で疑問視されるのが阪神の継投策です。勝ちパターンの投手がいるにも関わらず、出し惜しみをして負けてしまう試合も多々見受けられました。
「ここで継投や!」「なぜ替えない?」現地観戦の経験として、継投策のタイミングでファンの間に一種のざわめきがはしることが多いです。序盤からリードを取られている時ほど、継投への期待と不満は両方強くなります。
思い切って仕掛ける勇気や、その采配の変化にファンが敏感であることを、肌で感じる現場が多々ありました。1点差や同点の場面でも、勝ちパターン投手を投入し相手打線をしっかり封じ込める必要があります。
中日投手陣の攻略
中日のエースである高橋選手やルーキーの金丸選手の内角速球と外角変化球に対しての対応ができていないと感じます。中日投手陣の分析をした上で傾向をまとめ、各選手がデーターを頭に入れておく必要があります。
さらに、右の投手であれば内角速球に対応しやすい右打者を配置するなど、相手投手に合わせてスタメンや打順を変え、継投の際にはその都度打者を入れ替えるなどの工夫も欠かせません。
対ヤクルト戦も苦手な傾向
阪神は中日だけでなく、ヤクルト戦でも安定した勝ち越しができていない状況です。成績自体は8勝5敗と、数字上では阪神のほうが上回っていますが、試合内容を見ると延長戦が多く、延長戦にもつれる度にファンの緊張感が一層増すのを直に見てきました。
私が現地観戦した中で特に印象的だったのが、7月11日に甲子園で行われた試合です。2回表2アウト満塁で打席に立った内山選手のホームランで沈む阪神ファンの姿が目に焼き付きました。若手選手の突き上げや粘り強さが、阪神にとって計算しにくい難しさになっていると実感しました。
阪神は豊富な投手陣を生かした守備力とともに、得点力の底上げと打順のフレキシブルな運用が今後の苦手意識払拭に繋がると言えるでしょう。
まとめ
2025年の阪神ー強敵中日・ヤクルト相手に感じたのは、現地だからこそ見える選手やファンの表情の変化、空気の重さや一体感、そして悔しさと期待。数字やデータだけでなく、自分自身が球場で体験した“今の阪神”のリアルを、今後の観戦でも追い続けていきたいと思います。
コメント