阪神タイガース

現地観戦で感じた!阪神・坂本誠志郎の進化と正捕手に不可欠な理由を独自視点で深堀り

阪神タイガース

今シーズン、阪神タイガースの正捕手として揺るぎない信頼を勝ち取っている坂本誠志郎選手。投手陣の力を最大限に引き出すリード力はファンだけでなく、チームメイトからも「精神的支柱」として頼られる存在です。

今季は自己最高クラスの打撃成績も残し、攻守両面での貢献が光ります。リード、打撃と両面で進化を続ける坂本選手の魅力と、投手陣との信頼関係をエピソードを交えながら詳しくご紹介します。

阪神・坂本誠志郎が正捕手に定着した理由

私が甲子園で何度も観戦して感じたのは、坂本誠志郎選手の“空気を変える力”です。試合前のブルペンやイニング間の投手とのやりとりを見ていると、坂本選手が投手一人ひとりの表情や仕草を細かく観察し、声をかけている場面が本当に多いです。こうした姿が、現場での信頼感に繋がっているのだと感じます。

阪神タイガースの正捕手・坂本誠志郎選手が、ここまで強い信頼を勝ち取っている理由は、それ以外にも卓越したリード力や抜群のフレーミング技術など多岐に渡ります。そんな坂本選手の魅力を項目ごとにまとめていきます。

卓越したリード技術

坂本誠志郎選手のリードは、状況判断と投手の長所を最大限引き出す頭脳的采配が光ります。特にカーブや緩急を駆使した配球が特徴で、相手打者の傾向も徹底分析し、試合ごとに配球を微調整。投手ごとに構えや足の使い方を工夫し、ピッチャーが最も力を発揮できるようサポートしています。

特に印象的だったのが、交流戦の対ロッテ戦でのリードです。私は3塁側スタンドで観戦していましたが、デュプランティエ投手が苦しい場面で坂本選手が何度もサインを変えたり、マウンドに駆け寄って話しかけている様子が見えました。その結果、この日デュプランティエ投手は来日初完封勝利を納めました。試合終了後のハグも現地で見ていて、あの瞬間の一体感はテレビでは伝わらない特別なものがあります。

巧みなフレーミング技術

坂本選手のフレーミング技術は、阪神守備陣の重要な武器と言えます。微妙なコースのボール球をストライクに見せる高度なキャッチングは、投手にって大きな心強さとなっています。キャッチャーの動きに注目して観戦していると、坂本選手は投手によって構えや足の位置を細かく変えていることがよく分かります。

デュプランティエ投手の時は足を大きく開き、ストライクゾーンを広く見せる工夫をしていました。そして大竹投手の際には斜めに座って構え、高低差のある球を球審から見てストライクに見えるような工夫がされています。こうした細かな調整が、投手の自信や安心感に繋がっているのを現場で感じています。

投手を精神的に支える声掛け

坂本誠志郎選手は、投手陣とのコミュニケーションを大切にし、試合前の練習や試合中にも積極的に声掛けを行っています。さらに、不調に悩む投手への適切なアドバイスや温かい眼差しが、阪神投手陣の安定感につながっています。

現地で観ていて特に印象的だったのは、ピンチの場面で坂本選手がすぐにマウンドへ駆け寄る姿です。ランナーが出た直後、坂本選手がピッチャーの肩を軽く叩きながら声をかけると、不思議と投手の表情が和らぐのが分かります。ネルソン投手は開幕当初からコントーロールに苦しんでいましたが、坂本選手の助言でフォームが安定し、リリーフでの好投に繋がっていました。

今季は打率.260!下位打線を支える打者

今年は打席での粘りが格段に増したと感じます。私が観戦した交流戦では、追い込まれてからもファウルで粘り、四球を選ぶ場面が何度もありました。7番打者として、相手投手を苦しめる“つなぎ役”としての役割を現地で実感できました。

打率も昨年より大きく伸びていて、今季は、自己最高クラスの打率.260をマークしています。打者としての成長、そして阪神の下位打線で光る粘り強さは、チーム力全体を押し上げている要因です。今季の坂本選手の打撃が安定している要因をまとめていきます。

役割の明確化

今季の坂本選手は下位打線で重要な役割を担っています。チーム状況や打線の不調にも柔軟に対応し、ポイントゲッターやつなぎ役として存在感を発揮しています。

特に“恐怖の7番”と呼ばれ、相手投手からも警戒される打者へと成長。「役割分担」「下位打線の主役」「攻撃の流れを作る」といった関連KW通り、阪神打線のキーマンです。

交流戦で野手が一気に打撃不振に陥った時でもここぞの一発が出る貴重なバッターです。どの打席でも必死にボールに食らいつく姿勢は現地で見ていると胸にジーンときます。流れを変えることができる貴重なバッターだと感じます。

集中力と選眼球の向上

捕手として配球を読む力が、打席でも生きていると感じます。現地で見ていると、初球から無理に振らず、狙い球をしっかり見極めている様子が伝わってきます。今年の交流戦では打率.405という高い数字に加え、リーグ5位の四球数を誇っており、打席での落ち着きが際立っています。

昨年は打率.223と打撃が伸び悩んでいたり、自分らしいリードができていないように感じましたが、今年は本来の坂本選手の持ち味を活かした粘り強いバッティングと好リードが光っていると感じます。坂本選手の捕手としての能力はダルビッシュ有選手も絶賛するほどです。

ミート率アップ

今季、坂本選手が打撃向上のために意識しているのがミート率のアップです。バットコントロールやスイングの改良を行い、バットの角度やスイングスピードを最適化しミート率が大幅に改善されました。

他にも、体感トレーニングや柔軟性の向上を意識したトレーニングも積極的に取り入れており、これによりスイングが安定したと考えられます。

現地で観戦していて、昨年と比べてスイングが大きく変わったのを現地で感じます。以前はバットの先に当たることが多かったのですが、今季は体全体を使った力強いスイングで、芯で捉えた打球が増えています。打撃練習の際も、フォームチェックや体幹トレーニングに熱心に取り組む姿を目の当たりにし、努力の成果がプレーに表れていると強く感じました。

坂本選手のバッテリーエピソード

坂本誠志郎選手が阪神の先発投手陣と築いているバッテリーの関係は、チームの躍進を支える大きな基盤となっています。各投手の性格や特性を最大限に引き出し、それぞれの最良のパフォーマンスを生み出す信頼の厚い関係性が、ファンにも強い印象を残しています。阪神の投手力の高さの裏には、坂本選手の存在が欠かせません。

坂本選手とバッテリーを組んでいる先発陣と坂本選手のエピソードについてご紹介していきます。

村上頌樹選手

今シーズン、村上頌樹選手と坂本選手は開幕からバッテリーを組み、7勝というリーグトップの勝ち星を重ねています。昨年はコントロールや自信にやや揺らぎが見られた村上選手ですが、今季は坂本選手の冷静なリードや声掛けにより、持ち味であるコントロールが最大限に発揮できています。

阪神がリーグ優勝・日本一になった2023年シーズンは最優秀防御率と新人王をダブル受賞し話題となりましたが、昨シーズンは7勝11敗、防御率2.58という悔しい成績に終わりました。昨年オフに“淡路島スライダー”と命名した新しい球種も増えており、球速68キロの超スローボールを組み込んで緩急のあるピッチングを披露し、生まれ変わりました。

村上投手とのバッテリーは、毎試合後に村上選手がSNSで坂本選手への感謝を伝えるほど信頼関係が深いです。私は開幕戦を現地で観戦しましたが、村上投手がピンチで坂本選手のサインに大きくうなずく場面が印象的でした。

大竹耕太郎選手

阪神に移籍以来、坂本選手と常にバッテリーを組んでいる大竹耕太郎選手は、頭脳派投手として知られています。緩急を生かした投球を坂本選手が巧みにサポートし、2年連続で二桁勝利を納め、先日先発出場したソフトバンク戦では育成出身選手で初の12球団制覇となりました。

大竹投手との“竹坂コンビ”は、登場時に盛り上がるほどファンからも大人気のバッテリーです。

昨年オフにFA権を取得した坂本選手は、当初FAを行使するかどうか悩んでいましたが、大竹選手は一目散に「坂本さんの人生ですけど、残留してこれからもバッテリーを組んでほしいです」と語り、坂本選手への信頼度の高さが伺えました。さらに、日本一を経験した2023年には「阪神に入団して、坂本さんと出会うことができて本当に良かった」と語っており、坂本選手への愛の深さも伺えました。

伊原凌人選手

新人ながら冷静なピッチングを続けている伊原凌人選手。坂本捕手の的確なリードや声掛けが、その落ち着いたマウンドさばきを下支えしています。私が現地観戦をして最も印象的だった試合が5月のゴールデンウィークに行われたヤクルト戦です。

試合後に「坂本さんのリードがあったから自信を持って投げ切れた」と語っており、信頼関係の深さが伺えました。

ヤクルト戦の9回、緊迫した場面で坂本選手がタイミングをずらすリードを見せ、伊原投手が自信を持って投げ切る姿にとても感動しました。

まとめ

現地観戦を通じて、坂本誠志郎選手の成長やチームへの貢献を肌で感じてきました。攻守ともに進化を続ける姿は、阪神ファンとして本当に誇らしい存在です。今後も坂本選手の活躍に注目し、また現地で応援したいと思います!

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