阪神タイガース

現地で見えた!阪神タイガース坂本誠志郎が「唯一の捕手」になった理由と2025年投手陣の行方

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今シーズンの阪神タイガースは、当初3人制で運用されていた捕手陣が、徐々に坂本誠志郎選手の一人体制へとシフトしています。なぜ坂本選手だけがマスクをかぶり続けているのか。その背景には、坂本選手のリードや守備力、そして投手との絶妙なコミュニケーション能力が高く評価されている現状があります。

また、投手起用やローテーション、新たなクローザーの台頭、さらに打線のオーダー固定など、今季の阪神タイガースは例年以上にさまざまな変化と課題が交錯しています。坂本誠志郎選手がなぜ絶対的な信頼を得ているのか、そして今後のチームの展望はどうなるのか、その理由と最新事情を現場目線で詳しく掘り下げていきます。

当初3人制だった捕手が坂本誠志郎選手のみになった理由

2024年シーズンの阪神タイガースは当初、捕手を坂本誠志郎選手、梅野隆太郎選手、榮枝裕貴選手の3人制で運用していました。しかし、現在は坂本誠志郎選手が先発捕手として実質的に一人でマスクをかぶる状況が続いています。

坂本選手が一人体制になった背景には、「なぜ他の捕手ではなく坂本選手なのか?」という疑問を持つファンも多いと思います。私自身も現地で複数試合を観戦する中で、坂本選手が投手陣と綿密にコミュニケーションを取り、試合の流れを読む力が他の捕手よりも際立っていると実感しました。

特に。ピンチ場面での落ち着いた配球や、投手の表情を見て声をかけるタイミングの絶妙さは、現場で見ていても安心感がありました。特に藤川監督は、坂本選手の投手とのコミュニケーション能力や状況判断力、バッターごとの特徴を見抜いたリードに絶大な信頼を寄せています。

投手陣からも坂本選手ならではの落ち着いたゲームメイクに安心感を感じている声が多く、試合を有利に運ぶ上で彼の存在が欠かせません。実際、特定の試合では投手の特徴に合わせた構えを徹底し、相手の得点機会を最小限に抑える好リードが目立ちます。このような理由から坂本選手以外の捕手が起用される機会が減り、自然と一人体制に移行してきました。

5月3日ヤクルト戦での好リード

相手打者の特徴や、どうしてもこの場面はこのコースに投げてこいと要求するとき以外は、サインは球種だけ伝えて、スッと真ん中付近に構えていた坂本選手。それに対してストライクからボールになる球で誘うのではなく、ゾーン内で振らせて勝負するのがデュプランティエ選手の投球スタイルです。5月3日のヤクルト戦、私はライトスタンドで観戦していました。坂本選手がイニング間にマウンドへ向かい、デュプランティエ投手の肩を軽く叩きながら何度も声をかけていた姿がとても印象的でした。特に5回裏、ピンチの場面で坂本選手が落ち着いた表情でミットを構え直し、投手に安心感を与えていたのが間近で見て取れました。現場で観ていたからこそ分かる、坂本選手の細やかな気配りや、投手との信頼関係の深さを強く感じました。

デュプランティエ選手と今季二回目のバッテリーとなったこの試合では、坂本選手は無走者の場面では必ず右膝を地面につけて構えていました。デュプランティエ選手は三塁側に高く抜けることが多く、右膝を下げることで、マウンドから立てた左膝まで、目には見えないラインを引いて意識させています。

今季勝ちがまだついていなかったデュプランティエ選手でしたが、坂本選手のリードが光り、この試合で初の勝ち投手になりました。

4月13日中日戦でピンチの場面を救ったリード

この試合を現地で観戦していましたが、フォアボールで満塁になってしまった際、会場全体がピリついていましたが坂本選手はすぐに工藤選手に駆け寄り、温かい表情で声掛けをしていました。坂本選手はこの時、「あれだけのすごい球が投げられて会場の雰囲気を変える力を持っている。自分の力を信じてほしい」という旨の言葉を投げかけたそう。その後構えた坂本選手の目からは、「大丈夫だよ」というメッセージが伝わってきました。ピッチャーは“女房役”と言われますが、ピッチャーの感情やメンタルを落ち着かせたり、自信を持たせることも大事な役割なんだと感じました。

今年入団した工藤泰成選手が中日戦で登板した際、追い詰められた場面でしたがなかなかストライクが入らず、フォアボールを出し満塁になってしまいました。誰もが焦りを感じる中で、坂本選手は冷静さを保ち工藤選手に駆け寄り声掛けをしていました。

声をかけてからは、2級連続の直球でファウル、最後はカットボールで見事に空振り三振に仕留めた工藤選手。ピンチを切り抜けられたのは坂本選手による声掛けで雰囲気を変えたことが関係しているでしょう。

今後の先発ローテーション見込み

今後の阪神タイガースの先発ローテーションは、大きく流動的な変化が予想されています。調子が上がらない才木浩人選手や、先発に転向したばかりの富田蓮選手を入れ替えて、2軍からの新戦力登用を望みますが、現状の2軍投手陣で1軍で先発を務められる投手がいないのが実情です。

また、ヤクルト戦で今季初登板を果たした大竹耕太郎選手が今後はローテーションに固定される可能性が高いです。ビーズリー選手は昨年ローテーションに入っていたものの調子を崩し、中継ぎへ回っています。

現状では村上頌樹選手、デュプランティエ選手、伊原陵人選手、大竹耕太郎選手、富田蓮選手が中心となり、さらに及川雅貴選手も先発に加わる可能性が高いでしょう。才木選手やビーズリー選手も、昨年の実績から後半戦での巻き返しに大きな期待が寄せられていますが、現時点では復調待ちの状況です。

新クローザーは新人の工藤泰成選手か岩崎優か

今季ここまで阪神タイガースのクローザーは岩崎優選手が務めてきましたが、不安定な投球内容により、試合終盤でリードを守りきれず逆転負けするケースが目立っています。藤川監督は表向き「問題ない」と語っていますが、最近ではルーキーの工藤泰成選手を守護神としてマウンドに送り出す場面も見られるようになりました。

工藤選手はパワフルな速球が武器で、藤川監督が自身の現役時代と重ねて期待している部分も伺えます。しかし、工藤選手はまだ入団1年目で経験の浅さが懸念されるため、いきなりクローザーを任せるには時期尚早との声もあります。

そのため、昨季から安定した投球を見せている石井大智選手や桐敷拓馬選手をクローザー候補として推す意見も強いですが、無理にクローザーを固めずに、その試合の流れで調子の良い投手を起用するのが一番良い策なのではないでしょうか。

野手のオーダーは今後も固定でいくのか

藤川監督は就任時から「若手育成」を公言していたものの、シーズンが開幕すると実際には昨年とほぼ同じ野手の顔ぶれでオーダーを固定しています。オープン戦で積極起用された榮枝捕手や高寺内野手も、開幕後はベンチ入り止まりで出場機会が非常に少ないです。

唯一の大きな変化は、ショートのスタメンが木浪聖也選手から小幡竜平選手に代わった点のみですが、その後の入れ替えはありません。打順も大きな変更はなく、主力選手の調子や怪我など特別な事情が生じない限り、今後もこのオーダーを固定して戦う可能性が高いです。

藤川監督は、選手同士の信頼関係や現場での一体感を何より大切にしているように感じます。私がベンチ裏で観戦をした際も、監督自ら声をかけて選手を鼓舞する場面が何度もありました。こうした現場の雰囲気が、オーダー固定や選手起用の方針にも表れていると感じます。

まとめ

今回の記事では、坂本誠志郎選手が一人でマスクを被るようになった背景や試合でのエピソード、今後の先発ローテーションの見立てについて詳しくお伝えしてきました。

最近の試合を見ると、中継ぎに起用する選手がある一定層の選手に偏っていたり、野手の選手を固定するなどファンの中でも賛否両論が分かれているように見受けられます。現在はセリーグの中で1位を争う高順位に位置していることからあまり選手を変えたくないのではないかと思いますが、このままの状況だと後半戦まで持たないのではないかと不安になります。

実際に球場で観戦をしていると、同じ選手が連日起用されることで「このままで大丈夫かな?」と不安になるファンの声も耳にします。私自身も、若手選手の成長や新戦力の台頭を期待している一人です。今後は試合ごとの状況や選手の調子に応じて柔軟な起用が見られることを願っています。

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